2011年(平成23年)3月期の業績について
(2011年5月12日開示 決算短信より)
当社の参画する医薬品業界は、製薬大手企業のブロックバスター医薬品の特許が相次いで期限切れを迎えた2010年問題を機に、自社技術だけでなく他社が持つ技術やアイデアを組み合わせて、革新的な商品やビジネスモデルを生み出す、所謂、オープンイノベーション方式への転換を図る企業が増えつつあります。それにより国内外を問わ
ず製薬企業とバイオ企業との業務提携や企業買収が相次いでおります。この潮流は提携による契約一時金やマイルストン収入を収益源とする医薬品ベンチャーにとっては追い風であり、製薬企業との業務提携の機会が増加することが期待されます。
このような経営環境の中で、当社グループは、連結会計年度ではノルレボ®錠 0.75mg (開発コード:SOH-075 適応:緊急避妊)、NVA237(適応:慢性閉塞性肺疾患)、QVA149(適応:慢性閉塞性肺疾患)、 SD118(適応:神経障害性疼痛)について開発進捗を図り、国内製造販売承認取得やマイルストン収入受領などの成果を獲得いたしました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高716百万円(前年同期比501.4%増)、営業損失1,876百万円(前年同期営業損失1,854百万円)、経常損失1,962百万円(前年同期経常損失1,781百万円)、当期純損失は1,871百万円(前年同期当期純損失1,769百万円)となりました。尚、販売費及び一般管理費は2,542百万円であり、そのうち1,588百万円はのれん償却額であります。
事業区分別の状況は次のとおりです。
国内医薬事業に関しましては、売上高55百万円、営業損失311百万円となりました。
国内医薬事業に係る製品及び主要開発品の進捗は以下のとおりです。
ノルレボ®錠 0.75mg(開発品コード:SOH-075 適応:緊急避妊)
- 開発段階:承認取得(平成23年3月31日現在)
- ノルレボ®錠 0.75mgは緊急避妊を目的として海外で開発された黄体ホルモン系避妊薬で、既に世界約50ケ国で承認されている開発品です。当社は平成13年4月にラボラトワール・エイチアールエー・ファルマ(Laboratoire HRA Pharma、フランス)より日本およびオーストラリアの権利を取得し、日本市場向けに開発を実施いたしました。当社グループは平成21年9月に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、平成23年2月に承認を取得いたしました。また、平成21年11月に締結済みの国内販売権導出契約に基づき、あすか製薬株式会社より本年5月中旬の発売を予定しております。
なお、オーストラリアでの販売権につきましては、当社は平成17年12月にサンド社(Sandoz Pty Ltd.)とサブライセンス契約を締結し、現在は同社より販売されています。 
SO-1105(適応:口腔カンジダ症)※本年5月導入
- 開発段階:臨床試験準備中(提出日現在)
- SO-1105(有効成分:miconazole)は免疫機能の低下した患者等に発症する口腔カンジダ症を治療する口腔粘膜付着性の抗真菌剤です。口腔カンジダ症とは、真菌に属する主としてCandida albicans(カンジダ・アルビカンス)の感染により引き起こされる口腔内の粘膜炎症性疾患です。HIV感染等による免疫不全患者、糖尿病
のような慢性的な疾病を患っている患者の間で多く見られます。
同剤は、ビオアリヤンス社が開発し、平成18年10月にフランスで初めて承認を取得して以来、現在欧州の26カ国、米国や韓国において承認されています。
当社は、本年5月にSO-1105の日本における独占開発販売権を取得いたしました。これにより、開発品パイプラインの一層の強化がされました。引き続き欧米市場からの発売済み、或いは開発後期段階にある医薬品の導入を通じた事業展開を進めてまいります。 
APNT(Activus Pure Nano-particle Technology):ナノ粉砕化技術
- 当社グループは、創薬基盤技術の強化を図るため、平成22年8月に株式会社アクティバスファーマを買収し、同社のナノ粉砕化技術を取得いたしました。
APNTの特徴は、難溶性の医薬品原料を50-300nm(ナノメートル)レベルの結晶粒子径に粉砕しつつ、既存技術で問題となっている夾雑物(きょうざつぶつ)の混入を極めて低く抑えることが可能という点にあります。この特徴により、これまで開発が困難であった難溶性薬物の注射、点眼、吸入製剤への展開が期待されます。現在は、複数の製薬会社と提携を検討しております。 
※開発品SD118は、これまでリスクを押さえた形で次相の開発を進めるため、プロジェクトファイナンス等手持ち資金を使わない方針で進めて参りました。この度のSO-1105の導入に伴い開発リソースの集中を図るため、本プロジェクトは今後導出または譲渡等の可能性を検討して参ります。
海外医薬事業に関しましては、売上高661百万円、営業損失1,097百万円となりました。
海外医薬事業に係る主要開発品の進捗は以下のとおりです。
NVA237(適応:慢性閉塞性肺疾患)
- 開発段階:第III相臨床試験中 (平成23年3月31日現在)
- NVA237(臭化グリコピロニウム、1日1回吸入の長時間作用型ムスカリン拮抗薬(LAMA))は平成17年4月にノバルティス社(本社スイス)に全世界の独占的開発・販売権を導出した開発品(単剤)であり、導出以降はノバルティス社によってCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)を適応として開発が進められています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコなどの有害な空気の刺激により気道(気管支)や肺(肺胞)に慢性炎症を生じ、その結果、気流が制限されたり酸素が交換できずに呼吸が
困難になる病気です。WHOの統計では全世界の患者数は2億1千万人と報告されており、今後本疾患による死亡者数は急増すると予測されています。平成20年10月に本剤の第II相臨床試験追加試験が完了し、その有用性が確認されました。中等~重等症のCOPD患者を対象とした当該試験で、NVA237は試験期間中24時間に亘る持続的な気管支拡張作用が示しました。また、同種同効薬であるチオトロピウム(既に上市されているCOPD治療薬スピリーバの有効成分。平成22年度売上38億ドル)と同様の有効性と持続的な気管支拡張作用を示
すとともに、チオトロピウムに比べNVA237の優れた即効性が示唆されました。更に、28日間投与試験では安全性と忍容性が確認され、ノバルティス社により平成21年6月に第III相臨床試験が開始されました。
また、ノバルティス社は同開発品の上市を平成24年に予定していると発表しています。 
QVA149(適応:慢性閉塞性肺疾患)
- 開発段階:第III相臨床試験中 (平成23年3月31日現在)
- QVA149は、当社導出品NVA237とノバルティス社が独自で開発を行っている慢性閉塞性肺疾患の開発品QAB149(インダカテロール、長時間作用型β2刺激薬。欧州等の50ケ国においては承認されており、米国では承認申請中)との配合剤です。作用機序の異なる2つの有効成分を同時投与することにより、既存薬に比べてより高い治療効果を得られると期待されています。平成21年9月に本剤の第II相臨床試験結果が発表され、中等~重等症のCOPD 患者において期待通りの優れた有効性及び安全性が確認されました。平成22年5月、ノバルティス社はQVA149の第III相臨床試験を開始し、現在は、5,500名のCOPD患者を対象に6本の第III相臨床試験を進めています。
また、同社はQVA149の最初の上市を平成25年に予定していると発表しています。
なお、上記NVA237、QVA149につきましては、当社グループには開発費用負担は生じません。

























