NVA237について

当社子会社のSosei R&D Ltd.はNVA237に含まれるムスカリン拮抗作用を持つ活性成分(glycopyrrolate)を、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療のための長時間作用型気管支拡張剤(LAMA)として開発すべく、ベクチュラ社(Vectura Group plc、英国)と共同開発契約を締結いたしました。NVA237は吸入投与により肺のムスカリン受容体に結合し、持続的な抗コリン作用を発揮します。その有効性は24時間以上持続すると考えられ、1日1回投与製剤として開発されています。NVA237の活性成分は、呼吸器疾患以外の適応症で既に承認、上市されており、その有効性、安全性は良く知られています。
健常人を対象とした第I相臨床試験では、経肺(吸入)投与後NVA237の血中移行率は低く、吸収された薬剤は速やかに消失されることが確認されました。慢性閉塞性肺疾患と喘息の患者を対象に行った2つの予備的な臨床試験で、NVA237の優れた気管支拡張作用と、1日1回投与を支持する持続的な有効性が確認されました。また、慢性閉塞性肺疾患の患者を対象に行われた前期第II相臨床試験では、気管支拡張作用に基づく統計学的に有意な臨床的改善効果が24時間以上にわたって認められ、さらに高い忍容性も示されました。
2005年4月、当社とベクチュラ社はノバルティス社(スイス)にNVA237及びQVA149の全世界独占的開発・販売権をライセンス・アウトし、以来、開発はノバルティス社により進められています。
2008年10月、ベルリンで開催された欧州呼吸器学会(ERS)において、ノバルティス社は後期第II相臨床試験が良好な結果で終了したことを発表しました。その発表ではNVA237の24時間にわたる気管支拡張作用が示され、チオトロピウム(競合品Spiriva®の成分名)と同等の有効性とより早い効果発現の可能性が示唆されました。同時に、高い安全性が示され忍容性も良好であり、臨床的に問題となる心血管系所見は認められませんでした。
なお2009年6月、ノバルティス社はNVA237第III相臨床試験を開始いたしました。また、当該開発品の承認申請を2011年に予定と発表しております。
COPDについて
慢性閉塞性肺疾患とは、主に喫煙や大気汚染などにより誘発された肺気腫、慢性気管支炎、もしくはこの両方によって生じる持続的な気道の閉塞状態です。
米国や欧州、日本などの主要市場での罹患率はおよそ4%と言われていますが、いまだ的確な診断がなされていないとの指摘もあります。米国では死亡数、有病数とも4位の疾患とされており、年間の医療コストは300億ドルを超えております。
COPDの市場について
現在、COPD市場は約60億ドル(2007年)と見積もられていますが、COPDの認知度の高まりと、付加価値の高い医薬品の普及により、今後更なる拡大が見込まれ、2011年までにほぼ倍増する可能性があります。

















